イラクやシリアからの避難民への支援を続けて#いるのは、日本のNGO、IVY(アイビー・本部・山形市)。これまでにアルビル現地で避難民児童のための学校建設や通学バス支援、生活物資の配布などを続けてきた。
今回、衣料品を提供したのは株式会社ユニクロで、約8000着を用意した。輸送費は日本の市民が寄付、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が一部負担し、在イラク日本大使館が協力した。衣料品はIVYを通じ、2月中旬までにすべてが避難民各世帯に配られた。ジャケットなど大人・子どもの防寒具が中心だ。
イラク軍は武装組織イスラム国(IS)に対する大規模掃討作戦を各地で展開している。これまでにIS支配地域やその近郊から15万人以上が脱出し、避難民となった。一部はクルド自治区のキャンプに身を寄せ、冬は氷点下近くになる日もあるなか、厳しい生活を強いられている。アルビル市内には中古品バザールがあり、安価な服も買えるが、避難民は経済的な余裕がないため移動もままならず、冬の衣料の支援が求められていた。
IS支配地域だったセラハディン郊外の村から逃れてきたばかりの避難民女性、テルファさん(30)はISとイラク軍との戦闘で家が破壊されたという。「何もかも失い、絶望していました。凍えるような寒さのなか、日本の質のいい冬物衣料を受け取り、心まで温かくなった」と笑顔いっぱいだった。
キャンプの代表者によると、避難民は生活費に困窮し、手に入れた支援物資を転売して現金に替えるケースがあいついできたという。だが、今回、日本から衣料支援物資ではそのようなことを起きていない、と話した。
IVYアルビル代表の武田めぐみさんは「人道支援の現場では、食料やテントなどが優先されるが、衣料も必要な支援物資。今回、良質の冬服は避難民に喜ばれた。ご協力いただいた日本の方々に感謝したい」と語る。
IVYは今後も避難民に、灯油など生活支援物資の配布を続ける予定だ。【玉本英子】
配布されたダウンジャケットを着る避難民の少女。「軽くて暖かい」。(2月中旬イラク北部・ディバガ避難民キャンプで玉本撮影)
避難民のためにユニクロが衣料品を提供し、NGO団体IVYが配布した。厳しい冬のなか避難民のあいだでは、日本からの支援に感謝の声が聞かれた。(イラク北部・ディバガ避難民キャンプで2月中旬玉本英子撮影)
イラク北部ディバガ避難民キャンプにはISの支配地域から逃れてきたイスラム教スンニ派の人たちが暮らす。多くが着のみ着のままで、徒歩で逃げてきた(2月中旬玉本英子撮影)
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